CRS繁殖記

ここでは、 "ディスカス in 水草水槽" に CRS(クリスタルレッドシュリンプ) を混泳させるべく、CRS繁殖の経緯と、本水槽への導入までを綴ってゆきます。
fakerのさらなる夢、"ディスカス & CRS in 水草水槽" は実現するのかっ!?

  きっかけ
  どんな設備で?
  どうやって冷やす?
  セッティング
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きっかけ(2004.04.28)

 「気泡を沢山つけたリシアの草原を、小さな赤いエビ達が所狭しと闊歩する」

 熱帯魚雑誌やインターネットで、一度はご覧になった事があるのではないでしょうか。そして、こんな水槽を持ってみたい、と思っている方は少なくないハズです。
 しかし、単価の高さと飼育の難しさから、これを実現されている方もまた、そう多くはないようです。

 そんな彼らが今回の主役です。CRS(クリスタルレッドシュリンプ)と呼ばれるこのエビは、ビーシュリンプの突然変異を固定したエビで、この偉業を成し遂げたのは、シュリンプ栽培センター(公認サイト:くりすたるれっどわ〜るど(owner:すぎっちょさん))の鈴木さんという方です。スバラシぃっ!

 さて、我が家には120cmの水草水槽(流木水槽?)があり、そこにはディスカスが泳いでいます。普通ディスカスはエビイーターと言われるくらいエビ好きで、水草水槽でコケ取り要因として活躍してくれるエビ達を食べてしまう為、「水草水槽にディスカスは向かない」理由の1つになっています。
 ところが、なぜか我が家のディスカスはエビを食べません。ヤマトはもちろん、ミナミでもです。稚エビが目の前を泳いでも、見向きもしません。オドロキっ。 そんなわけで、我が家の「ディスカス in 水草水槽」には、今でもエビが沢山繁殖しているのです。 ・・・と、言う事は、ですよ。もしかして、、、

ウチの環境ならビーシュリンプやCRSも、ディスカスと共存できるではっ!?

 一度思いついてしまったら、もう止められません。想像してみて下さい。水草水槽を優雅に泳ぐディスカス達の傍を、CRSが泳ぎ回っている光景をっ!  ありえないでしょ〜っ!?
 もしそんな環境を作れたら、それってスゴくな〜いっ!?

 これはもう、やらないわけにはいかんでしょうっ。しかもなんとタイミングの良い事に、ちょうど30cmキューブのハイタイプ(こんな言い方であってるのかな?)が空いています。
 よ〜しやったるでぇ〜っ! じゃんじゃん増やして120cmをCRSで埋め尽くしたるっ!!

 というわけで、"CRS繁殖記" のスタートですっ。


 

どんな設備で?(2004.05.10)

 CRSの単独飼いといっても、設備に関しての基本的な考え方は熱帯魚の時と変わりありません。
 ただ、飼育対象が小さいのですから、水槽も小型でこじんまりとやりたいですね。でもせっかくだからばかみたいに増やしたいっ! ・・・よく考えるとこれってなかなか難しい注文です。

 とりあえず、今我が家にあるのは30cmキューブ(ハイタイプ)なので、入れ物はもう、コレに決定します。(置き場所もないし。。。)そして、この水槽をベースに、次のようなコンセプトで設備を揃える事にしました。

・目標はCRSの爆殖だが、増やした状態での維持は考えない(ある程度増えたらそれ以上はどんどん120cm水槽へ放流)
・多少過密飼育になっても、それを補うだけの濾過能力を備える
・リビングに置くので見た目はインテリアとして通用するような設備/レイアウトで、音も限りなく小さくする

 いやぁ、相変わらず我侭なコンセプトですね。インテリア性を重視すると出費がかさむなぁ。。 ま、とりあえずそれは置いといて、これを実現させるための設備を考えましょうっ!

 何はともあれまずは濾過ですね。ここは見た目にも直接影響を与える設備ですから、機能重視はイタダケません。というかむしろ見た目重視っ! というか装置自体なるべく見せたくないっっ!! なので、上部式、外掛け式、はパス。で、過密飼育に耐えられるだけの濾過能力を期待して、ここは "外部式"+"底面式" でいくことにします。
 今の所考えているのは、外部式には スドーの "エデニック シェルト" を考えています。底面は我が家にあるものを使うつもり。

 ちなみに底面濾過は "底砂掃除による水質変化がCRSには激しすぎる" & "稚エビが増えると底砂掃除もままならない" とい問題があり、これって結構致命的だったりしますが、これに対しては、"底砂を掃除しなくても水質悪化を防げるだけの濾過環境" と、"CRSが常に底砂の汚れに接触しないようなレイアウト" で対処してみるつもりです。

 次はco2とエアレーションについてです。CRSはco2濃度の高い水には弱いらしいので、30cm水槽ではco2添加はしません。逆に24時間エアレーションを行います。これにはディフューザーを使います。そうすればエアポンプがいりませんからね。

 続いて底砂と水草について。CRS達が最終的に生きていく場所は120cm水槽ですから、30cn水槽の環境もなるべくそれに合わせた方が、放流時のショックを和らげる事ができます。そういうわけで底砂も水草も全て120cm水槽からもってくることにします。一応予定しているのは、

・ミクロソリウム・ナローリーフ(流木とセットで)
・パールグラス
・ジャイアント・アンブリア
・アマゾンチドメグサ
・リシア

 の5種です。これらはリシアを除いて我が家の120cmで調子の良い水草達なんです。特にパールグラスは底砂を覆い尽くすように増えますから、CRSが底砂に接触しない環境を作るにはもってこいです。リシアも狙いは同じなんですが、我が家では120cmでもうまく育ってくれてないので、ちょっと冒険です(なんせco2なしですから)。気泡バンバンは無理でもそれなりに成長くらいはしてくれないかな〜。。

 さて、残すは照明ですが、これはインテリア性を考慮してコトブキの "ピクシーシネオ" を考えています。まずはこの1灯でスタートし、水草の生長具合や水温等の様子を見つつ、調整していくつもりです。

 というわけで、次回はセッティングですぞっ!


 

どうやって冷やす?(2004.06.08)

 もうすぐ夏到来だというのに、厳冬真っ只中なフトコロ事情のおかげで未だモノが揃わず、今回はセッティングとは別のお話となります。。
 実は、訳あってCRS水槽を置く家は、120cm水槽のある家とは別の家で、ここは平日無人となります。なので、ちょっと本気で水槽を冷やす手段を考えないと20Lも無い水槽ではあっというまに30度オーバーになってしまうでしょう。ただでさえ低温を好むCRSを飼育するのですから、これはいけません。

というわけでセッティングの前に、「どうやって水槽を冷やすか」 についてを考えてみました。

 まず、水槽を冷やす方法については、"エアコンで部屋ごと冷やす"、"水槽用クーラー"、"ファンによる気化熱を利用"、というのが一般的ですね。
 エアコンで部屋ごと冷やすのは確実に低温を維持できますが、「誰もいないのにつけっぱなしにする」という行為はどうも許容できません。。エアコンも家に備え付け(ここは賃貸物件なのです)なので、何年前のシロモノかわからない(つまり経済的なエアコンじゃないかもしれない = 電気代も高くつくのでは?)事が、それに追い討ちをかけています。 なのでエアコンで部屋ごと冷やす案は却下。
 水槽用クーラーはその排熱が問題です。 現在の家では、(場所&見栄え的に)排熱を外に出すことができず、しかも部屋が狭い上にほぼ半日閉め切り状態が続くので、排熱による室温上昇は目に見えています。これでは本末転倒なので却下。
 ファン(気化熱)による冷却は一番簡単なのですが、部屋の湿度が上がると(気化しなくなり)水温が下がらなくなるようです。これは締め切った狭い部屋では力を発揮できそうにありません。 また、室温と希望水温に差がある(室温30度以上で水温24度とか)と、そこまで下げられるか疑問なので、やはり却下。(ただし併用としてはイイカモ。)

 うーむ、つまり一般的な冷却方法は使えないってことですよ。がーん。。。 あ、そうそう「凍らしたペットボトルを入れる」 という手段もありましたねっ!これはかなり手ごろだし、しっかり冷えてくれるし、室温も湿度も変化しません。なかなか優れた冷却方じゃないですかっ。
 ただし氷ゆえに 「急激に冷える」、「任意の温度に下げられない(溶けるまで冷え続ける)」、「その温度を長時間持続できない(溶けたらそれ以上冷やせない)」という問題があります。
 これってかなり致命的ですが、工夫すればなんとかクリアできそうです。要は凍らしたペットボトルを "直接水槽に入れる" からイカンのですよ。車のラジエターと同じように、冷却水を循環させれば良いわけです。

冷却装置(イメージ図)  それがこの図です。冷却層は発泡スチロールで作ります。しっかり蓋をしめて密閉すれば、アウトドアで使うようなクーラーと同様、かなり長い時間低温を保つ事ができるハズです。保冷剤を入れ、少しだけ水を張ります。水を少しにする理由は、保冷剤が溶けるのを遅らせるためです。水をたっぷり入れます。当初少しだけ入れた方が冷えると考えたのですが、水が冷えるより暖かくなる方が早く、すぐに氷が溶けてぬるくなってしまいました。そこで、たっぷりの水を前の晩から氷を入れてガンガンに冷やし(夜は作動しないことが多い)、ぬるくなるのを遅らせることができました。(2005.02.01訂正)
 この水が "冷却水" となり、本水槽と冷却層を循環させるわけですね。本水槽側には熱伝導率の高い材質のパイプを設置して、ここに冷却水を通す事で熱交換を行います。そして、冷却水を循環させる為のパワーヘッドを逆サーモで監視すれば、立派な冷却装置の完成です!

 これのキモは、冷却層がどこまで低温を維持できるか、ですね。循環している間、本水槽から戻ってくる水は温かくなっているので、その分氷が溶けやすくなります。それを考慮した上で、少なくとも日中(無人の間)は冷え続けるだけの保冷剤を入れておく必要があります。ま、冷える分にはどこまで冷えても構わないので、フトコロ事情&冷凍庫の空き容量と相談して、最大数をぶち込めばOKかな。
 難点は、保冷剤を定期的に取り替えないとイカンことですね。夏の2,3ヶ月だけとはいえ、面倒ですよね〜。。

 ちなみに、保冷剤は "ロゴスの氷点下パック" というのにするつもりです。表面温度はなんと -16度 だそうで。水、凍っちゃうかな?
 そしてパワーヘッドは "マキシジェット" にします。水陸両用なのでモータを外に出せますし、値段もそれ程高くないのが決め手です。また、熱交換を行うパイプの材質はステンレスにします。(本当はアルミが良いと思うんですが、うちに丁度良い太さのステンレスパイプがあるのでそれを使う事にしました)

 もうボーナス間近だし、イッキに揃えたるぞっ。
 というわけで、次回こそセッティングのご報告ができると思います。併せて冷却装置のテスト結果も載せられるかな?


 

セッティング(2004.07.21)

 なんと。前回から1ヶ月以上が経過していますね。。 コツコツものを揃えつつ冷却装置の作成に取り掛かってはいたのですが、先日ようやく完成しましたのでご報告ですっ。

 まずは写真をご覧下さい。
冷却装置1 冷却装置2 冷却装置3

 左の写真は、冷却装置の全体図です。発泡スチロールの箱を作り、それを水槽にはめ込むことで万全の水漏れ対策を施しました。上に乗ってる白いのは、蓋です。
 この箱には2種類の発泡スチロールを使っています。黒いのは密度が濃く薄いです。選んだ理由は見た目です。2枚重ねて接着しています。
 そして、白いのはごく普通の奴。これは、箱の内側上下にセットしました。本当は、内側全部これを貼り付けたかったのですが、そうすると容積がかなり少なくなってしまうので、上下のみで妥協しました。。
 真中の写真は、冷却装置の中身です。冷却水を循環させるPHと、循環用のホースがセットされています。 この中に水と保冷剤を詰め込んで蓋を閉めれば、冷却部分の完成です。
 PHはマキシジェットの予定だったのですが、予算の都合で一番安いやつに変更。おかげで水没させて使うタイプになってしまいました。。
 右の写真は "熱交換"部分です。これを本水槽にセットして、冷却装置の給排水パイプとホースで繋げば、冷却装置の完成となります。
 熱交換部分のパイプは、構想段階ではステンレスだったのですが、家にあったパイプはステンレスメッキの鉄パイプだったため、急遽エデニックシェルトの吸水パイプで代用しました。
 ちなみに、"熱交換パイプ" の根元から出ているのはディフューザーです。

 続いて水槽本体の写真です。
CRS水槽1 CRS水槽2 CRS水槽3

 エデニックシェルトの吸水部分は底面フィルターと直結しました。底面フィルターの上にはネットに入れた濾材を敷き詰めています。
 真中の写真は、水槽を上から見た図です。本水槽の後ろにエデニックシェルト(見えませんが。。)と、その隣に冷却用水槽(黒いやつ)を置いてます。こいつから本水槽に伸びている白っぽい奴は、冷却用水槽から伸びているパイプです。氷水が通るので、銀マット(の薄いやつ)で撒いて、外気を遮断しています。
 ライトは当初、ピクシーシネオを予定してたのですが、こちらの方が小さくてシンプルだったので、変更しました。
 右の写真は、底面フィルターに載せた濾材です。約3Lほどを小分けにしてネットに詰め、それを底面フィルターの上に乗せました。

 実はこの濾材、立ち上げを早くする為に1ヶ月ほど120cm水槽に沈めてたおかげで、取り出した時は稚エビの巣窟になっていました。引き上げた際わんさか稚エビがでてきたんですよ。
 そこで、こいつはこのままシュリンプハウスの代用になるのでは?なんて考え、試しに底面の上に敷き詰めた濾材ネットを一部露出させてみることにしました。
 とまぁ、そんなわけで、水槽の後ろ側は一部濾材が露出した状態になっています。そのうちここには流木を置く予定です。

 さて、肝心の冷却システムの効果についてですが、朝26度の状態で、丸半日(夜まで)放置したところ、最終的な温度は29度でした。 このシステムを導入する前は、丸半日放置で32度だったので、全く効果なしというわけでは無さそうです。
 ちなみにこの水槽、設置場所がエアコンの風がもろに当たる場所なので、エアコンを稼働すると寝る頃までに26度まで下がります。。。
 小型水槽って、思ってた以上に外気温の影響を受けやすいのですね〜。毎日26度〜29度の温度変化があるようでは、怖くてCRSを入れられません。。。
 下がる分にはヒーターで対応できるとして、やはり冷却システムはさらなる改良が必要なようです。。。

 というわけで、次回は 冷却システム改良のご報告になると思います。(それまでに夏が終わってたりして。。。)


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